お屠蘇

【お屠蘇の正式な作法】あなたの飲み方は間違っていませんか?

お正月といえばお酒は欠かせないというご家庭も多いのではないでしょうか。お屠蘇はその中でも特別なものですよね!

 

ですがお正月に飲むものということは知っていても、その意味や正式な飲み方、作り方について詳しくご存知の方は少ないと思います。私も特に深く考えずに頂いていたので、その謂れなどについては知らなかったんです・・・。

 

そこでお正月には欠かせないお屠蘇について詳しく調べてみることにしました。


お屠蘇ってどうして飲むの?どんな意味がある?

お屠蘇の意味について最初に見ていきましょう。まずは「屠蘇」というのはなんなのか、というところから見ていきますね。

 

「屠」という字は「屠る」で「打ち滅ぼす」、「蘇」は「病をもらたす鬼」という意味です。つまり「病をもたらす鬼を打ち滅ぼす」という意味のお酒なんです。

 

また「邪気を払う」「生気を蘇らせる」といった考え方もあります。ですが共通する点としては病と邪気を払って生命力を高めるというところでしょうか。

 

 

お屠蘇を飲むということは、元日に健康と長寿を願う意味があるもの。因みにこの風習は日本ではなく中国が発祥です。

 

平安時代の頃に中国から日本に伝来したといわれ、一般的になったのは江戸時代と言われています。

正式な飲み方をマスター!飲む順番や盃の受け方

 

お屠蘇は飲み方についても当然決まりがあります。普通の飲み物としてのお酒ではなく縁起ものなので、きちんと正式な作法で健康長寿を願いたいものですね。

 

お屠蘇の正式な飲み方についてはこの様になっています。

 

 

 

 

  1. 元日の朝に汲んだ水で手を清める
  2. 神棚や仏壇を拝む
  3. 東の方角を向く
  4. 飲む人の右側から注いでもらう
  5. 注ぐときには二回注ぐ形、三回目で注ぐ
  6. 注がれる時には胸のたあさに盃を上げて受ける
  7. 飲むときには二回飲む形、三回目で飲む
  8. 男性は片手で、女性は両手で盃を受ける
  9. 年少者から年長者の順に飲む

 

厄年の方は年齢に関わらず最後に頂きます。

 

更に飲む際に「一人これを飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱えるのが正式な作法です。

 

お屠蘇も正式な意味と飲み方を知ってから飲むと、神聖な神前の気持ちで飲むことができるようになりそうですね!


お屠蘇は何で飲む?専用の酒器、屠蘇器について

お屠蘇の正式な飲み方と飲む順番についてご説明しました。次は道具についての決まりを見ていきたいと思います。やっぱりお正月の縁起物ですから、いつも使っている御猪口で飲むという訳にはいきませんよね。

 

まずお屠蘇を飲むときの道具としては屠蘇器という専用のものがあります。

 

  • 銚子
  • 盃台
  • 屠蘇台

 

これら四つの酒器が一組になっているものです。正式な飲み方としては「屠蘇三献」といって、一人で盃を三つ使う飲み方をします。ですから屠蘇器には盃が三つあります。

 

もしご家庭でこれらの器がなければ、お正月らしい銚子や盃を使っても大丈夫です。

 

正式な屠蘇器は漆器製のものが普通ですが、金属製、陶磁器製といった屠蘇器もあります。使用するときには銚子飾りを結び付けてから使います。


お屠蘇を自宅で作るには?これで簡単に自宅で作れる!

お屠蘇はご自宅でも作ることができるものです。自宅で作ると好みの味に調整することができ、飲みやすいものを作ることができますよ。その作り方についてもまとめてみますね。

 

必要なものは3つです。

 

  • 屠蘇散
  • 日本酒
  • 本みりん

 

この屠蘇散さえあれば作り方も非常に簡単です。

 

  1. 酒と本みりんをあわせて300mlに屠蘇散を浸し、生薬を抽出させます。
  2. 抽出時間はお好みにもよりますが大体5〜8時間程度です。
  3. 抽出が終わったら屠蘇散を取り出して出来上がりです。

 

屠蘇散があればこのように簡単に作ることができます。お屠蘇に使う生薬についても記載しておきます。

 

  • 山椒
  •  

  • 桔梗
  •  

  • 肉桂
  •  

  • 白朮
  • 防風
  • 陳皮

 

屠蘇散の中にはこれらの生薬が含まれています。お屠蘇は健康と長寿を願うものですが、生薬の効能としても胃腸を健康にして、血行を良くするものがそろっています。

 

元は風邪薬として調合されたものですので、体の調子を整えるための効能がある生薬なんですね。

地方によっても違う?こんな飲み方をする地方も・・・

お屠蘇の基本的な意味や飲み方、作り方について詳しくご説明してみました。ですが地方よってこれらの風習も少しずつ違ってくることもあります。

 

よく飲まれる地域としては関西以西と言われています。関西以西の風習だという話もあるのですが、関東の方でもお正月に飲む風習があるご家庭はあります。

 

関東以北でも屠蘇散は販売されているので、「関西以西の風習」という比較的知られたこの話は信憑性が低いと思われます。

 

その他地方によって飲む順番などが異なります。一般的には年少者から年長者への順に飲みますが、年長者から英知を貰うという意味で年長者から年少者の順で飲む地方もあります。

 

また、盃に注ぐのは家長の役目とする地方もあり、その飲み方や作法は様々なんです。前述では一般的な飲み方を記載していますが、その地方の風習に合わせて飲み方や作り方などにも習ってくださいね。


お屠蘇が余ったら?料理に使ってしまっても大丈夫?

お屠蘇は元日の朝から飲み、その後正月三が日の間に来客があればお客様にも飲んで頂くためのものです。ですがどうしても飲みきれない、余った、という場合はどうしたら良いのでしょうか?

 

ネットで検索してみると余った場合には料理に使うというものもありますが、使って良いのでしょうか?

 

 

お屠蘇は余ってしまった場合は料理に使っても構いません。元々日本酒と本みりんを併せたものですので、料理にコクが出てとても美味しくなります。

 

屠蘇散が余ったという場合には来年使用するために保存して置いたり、肥料として使うこともできます。また、元は風邪薬として調合されたものなので、風邪をひいたときに飲むのもオススメです。

 

その場合はお酒ではなくてお湯で抽出して紅茶のようにして飲んでください。風邪の症状を軽減させることができますよ。


お正月の縁起物!正式な作法で健康祈願を!

お屠蘇について詳しくご説明してみました。飲む順番についてや使う器についてなど・・・意外と知っているようで知らないことも多かったのではないでしょうか?

 

最近では以前に比べて飲まれるご家庭も減ってきていると言われています。ですがおせち料理同様お正月の縁起物であり、健康長寿を願うという大切な役割を担っています。

 

元日の朝から水で身を清め、お屠蘇を飲めば、心も引き締まって新年を神聖な心持ちで迎えることができるようになりますよ!

 

自宅で作るのも簡単ですので、是非お正月には健康祈願の風習に則ってみては如何でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

【コラム お正月】
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